前回の「体性感覚」に引き続き今回も感覚を鍛えて姿勢改善をしていこうという内容です。
今回は「前庭覚」についてご紹介していきます。
こちらも体性感覚と同様に姿勢や運動を制御していくのに非常に重要なので、ぜひ興味持って読んでみてください!
体性感覚について振り返りたい方はこちらから⬇︎
前庭覚とは
前庭覚とはざっくりお伝えすると「頭のポジションを感知する感覚」です。
少し専門的な感じで言うと、
前庭覚は耳の中の内耳にある 頭の向きを感知する「三半規管」と頭の位置や加速感を感知する「耳石」から獲得した情報を脳で処理する能力です。
「三半規管」は「外側半規管」「前半規管」「後半規管」3つの半規管から成り立っており、それぞれの半規管が頭の動きによって反応して動きを感知します。
「耳石」は頭の垂直方向の動きに対応する「球形嚢」と水平方向に対応する「卵形嚢」から成り立ちます。
これらの情報を視覚や体性感覚と上手く協調し合って統合して頭のポジションを感知します。
前庭覚の役割
前庭覚は前述しているように頭部の位置を感知するような機能をメインとしているので、主にバランスをとるような時に強く働きます。
特に頭部なので立位でのバランスを取るときに前庭機能が要求されます。
前庭感覚が究極に機能していない状態が「目が回っている状態」です。
こちらは経験のあるかたも多いかと思いますが、目が回っていると例え目が開いていても床が固く歩きやすい地面でもふらついてしまい上手く歩けなかったり立っていられなかったりするかと思います。
これだけでも前庭覚が姿勢制御に与える影響の大きさは想像しやすいのではないでしょうか?
そして皆さんが猫背や巻き肩でお悩みの場合、前庭機能が弱くなっている可能性が非常に高いです。
頭は人体の約10%の重みがあるため、頭部が不適切な位置にあるだけで身体のバランスは大きく左右されます。
しかし人間はそんなことですぐに倒れるわけにはいかないので、そこから下の身体は崩れたバランスを調整するために胸部を丸めたり、腰部を反ったりして倒れないように対処します。
また、前庭覚も体性感覚と同様に重力などを感知する役割があるため、機能低下すると自然と重力との付き合い方が下手になり姿勢も悪くなってしまいます。
前庭覚のトレーニング
前庭覚のトレーニングは「頭を動かす」これに尽きます。
もちろんより効果的に機能を向上させるには前庭システムの中のどの器官が弱いかを評価した上でその方向や動きを重点的にトレーニングした方が良いです。
ただ、前庭機能が弱くなっている方は根本的にデスクワークや運動不足による頭を自分の運動によって動かしていないことが原因になっていることが多いです。
ここでいう運動不足とは移動不足とも言い換えることができ、普段から車や電車移動が多く運動をするのもジムのマシンでのトレーニングがほとんどみたいな方も前庭機能は弱くなってしまうことがあるので注意してください!
そのため屋外を散歩したりランニングすることも前庭機能のトレーニングになりますし、スクワットやピラティスなどの頭の位置が比較的大きく動くようなエクササイズも前庭覚のトレーニングにもなります。
また、立位でのバランス系のトレーニングでも前庭覚への刺激が強く入力され良いトレーニングになります。
さらに閉眼した状態で立位で運動してみることも視覚に頼ることが出来なくなることで前庭覚への刺激が強くなり良いトレーニングになります。
試しに片足立ちを閉眼状態でしてみてください。
バランスを崩してしまう方も多いのではないでしょうか?
これらが前庭覚のトレーニングですが、前述しているようにどの機能が弱くなっているかを適切に評価した上でのトレーニングが重要で効率的です。
まとめ
今回も前回に引き続き感覚系のお話でした。
前庭覚は姿勢やバランス機能、めまい系の症状に大きく影響するのはもちろん、近年では感情の生成、メンタルヘルスや社会的行動にまで影響すると言われています。
そして現代人の生活だとどうしても弱くなってしまいがちな感覚でもあるあります。
何回もしつこいかもしれませんが、どうしても皆様にお伝えしたいことは筋力や柔軟性を上げるだけでは根本的に身体を良くすることはできないということです。
そんなに人間の身体は単純ではありません。
だから我々パーソナルトレーナーは必死で勉強する必要がありますし、それがなければ本当の意味でお客様の身体を変えることはできないと思います。
感覚も筋力も鍛えてこそのパーソナルジムです。
皆様もぜひご自身の身体のためにそんなことにも目を向けて上げてください!!
パーソナルジムBe Next
住所:和歌山県和歌山市太田1-14-11 オオトヨビル702
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